さて、以上のように見てきたように、約款に定めた免責期間を過ぎたあとの自殺であれば、保険金は支払われることになっています。
しかし、これに異議をとなえ、免責期間を過ぎたあとの自殺であっても、保険金を払う必要はないのではないか、という訴えを保険会社が起こしたことがありました。
そのケースでは、自殺と認定された被保険者は複数の多額の生命保険に加入していました。
(実際の形式としては転落死であり、遺書等は残されておらず、事故死とも判断されかねないケースでした。しかし、亡くなった被保険者を取り巻く諸般の状況から、単なる事故死ではなく、自殺と判断されたのです)。
保険金の支払いは、免責期間を過ぎたものだけで、何億円にも及びます。
保険会社の主張としては、
これほど多額の保険金のかかる生命保険に加入して自殺したということは、最初から保険金目当てだったと考えられる。このようなケースにおいては、約款にある免責期間の規定(当時は、1年)は適用されず、商法の規定に基づいて、保険金の支払いの必要はないとされるべきである
、とのことでした。
つまり、特殊な事例であるので、約款にある免責の規定は適用するべきではない、約款ではなく商法の規定に基づいて判断されるべきである、という主張です。
最終的な結果としては、最高裁で、払う必要がある、との結論が出されました。
