前項に記載したのは、法や約款に沿った結果、保険金がもらえなかったり、当初思っていたのよりも額が減ってしまったり、といったパターンで、いわば、適切な不払いにあたります(最初から、もらえないのが当然なケースだということです)。
しかし、残念なことに、世にある不払いは、適切な不払いだけとは限りません。
不適切な不払いというものも存在するのです。
不適切な不払いというのは、本来、当然払われるべきである事例なのにも関わらず、保険会社が保険金を払っていないというものです。
この場合には、保険金の支払いを求めるのは当然の権利です。
不適切な不払いの原因にはいろいろありますが、代表的なものを2つ、以下に挙げておきます。
1・詐欺無効の不適切な適用
重大な告知義務違反や保険金詐欺目的であった場合には、保険会社は契約内容を無効とし、契約を解除することができます(これを詐欺無効といいます)。
詐欺無効の不適切な適用というのは、詐欺無効として保険料を支払わなかった事例の中に、本来払うべきだった事例が混じっていたというものです。
つまり、無効ではないのに、無効として不払いにしていたということで、このようなケースにおいては、保険金は当然、支払われるべきものです。
2・独自の基準を適用
1に見られるのは、法律の規定を誤って適用したパターンなわけですが、そうではないのがこちらのパターンです。
どういう場合に不払いが許されるかというのは、法律によってあらかじめ規定されているわけですが、ここでいう<独自の基準を適用>というのは、公的な規定にはない独自の基準を会社が勝手に作って、それに基づいて不払いかどうかを決めていたというものです。
もちろん、これは、非常に不適切な行為であり、許容できるものではありません。
実際にこのような独自の基準による判断を行なっていた保険会社に対しては、金融庁も業務停止命令や業務改善命令といった強い処分を下し、実態の改善を指導しています。
